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理事長所信

 

      

 

 

     第52代理事長 毛利安利  

基本理念

個の尊重と持続的な明るい未来の創造

 

基本方針

・原点に立ち返りと未来志向の推進と両立

・JCのブランド価値を高める会員拡大

・LOM以外の学びの機会への参加

 

スローガン

価値 ~これからの未来のために~

 

 

 

 

はじめに

 

 皆さんは、何を目的として青年会議所に入会しましたか。先輩あるいは仕事の取引先にメンバーがいて誘われたなど、最初は様々なきっかけがありそれぞれの想いを胸に入会したと思います。活動に参加する中で、まちのことを知ることができるだけでなく、人との関わり方にも大きな変化をもたらしてくれるのが青年会議所だと長年の活動の中で感じています。それは、大人になると薄れてしまう人との関わりや友人とは異なる”本音で付き合う仲間”をつくるきっかけになると私は考えているからです。

当時、仕事が終わり私が会社の事務所に帰ると青年会議所メンバーの先輩2人が来られていて、「よく分からないけど嫌なら辞めよう」くらいの気持ちで2014年に入会しました。入会当初は、今より多くのメンバーで運営をしており、理事会の雰囲気に圧倒され、さらに元々人前で話すことが苦手だった私は、ただただ緊張し、自己紹介も満足にできなかった記憶が今でも鮮明に残っています。また、これまでの生活の中で地域貢献活動に触れることもなかった私は、「地域貢献ってなに?」という状態で、なぜこのような活動をしているのか、何が自分の為になるのかも分かりませんでした。なので、最初は言われたことだけをこなしていました。様々な事業に参加する中で、「知り合ったばかりなのに、なぜこんなに距離感が近いんだろう」と感じていることもありました。そんな私ですが、入会当初から決めていたことがあります。それは、「まずは参加してやってみる。やらずして何も言えないし経験にもならない」ということです。この気持ちを大切にしていると、様々な場所へ出向させていただく機会にも恵まれ、次第に青年会議所活動を通じて少しずつ社会課題とはなんだろう、多くの仲間を作りたいといった想いが芽生えはじめました。

LOMで委員長をした時は、事業例会を担当することが多く、失敗や壁にぶつかりながらも、たくさんの先輩方に議案書をはじめ多くのことを教えていただきました。ブロックでは、県内各地のLOMの個性があり、同じ富山でも全く違った角度からの意見が飛び交い、自LOMとは違う空気感を感じました。地区になると、県外で委員会が開催されることも多くありました。過去に行ったことがある地域でも、開催地のメンバーに案内してもらうことで新たに知る地域の魅力も多く、地元富山を見直すきっかけにもなりました。

そして、日本出向は正直非常に大変でしたが、とても楽しかった経験です。日本中から多くのメンバーが集まり、大規模の事業を運営し、無事に終えた時の達成感は今でも忘れられません。委員会や事業当日にしか会えない人も多い中、年月が過ぎた今でも彼らとの関係性は続いています。業種も異なり、人によっては海外に住んでいる人もいますが、青年会議所の事業をきっかけに育んだ絆はかけがえのないものとなっています。こうした多くの学びと仲間との出会いを通じて、自分の価値観が変わりはじめました。入会した当初は青年会議所活動に前向きとは言えませんでしたが、主体性が生まれ、社会課題の解決の必要性を自分なりに理解し、人前で話すことも少しずつできるようになっていきました。

この日本出向のきっかけをくれたのは、入会してすぐに行われたブロックアカデミーで知り合ったメンバーが誘ってくれたものでした。青年会議所では、多くの学びやチャンス、そして仲間との出会いがありますが、それを掴むかどうか、その価値をどう活かすかも自分次第です。単年度で終わる役職はもうやるチャンスがないからこそ全力で取り組み、そこから多くの学びを得る機会があります。1年間しっかり向き合い、共に全力で未来のために活動して参ります。

 

1年間の歩み

 2025年度は、1年間の方向性を明確にして、何に向かうべきかの目標となる基本理念を新たに掲げました。今の滑川青年会議所では、組織全体として育成が行き届いていなかったり活動の素晴らしさを伝え切れていなかったりなど多くの課題があります。特に少人数組織になる中、今後、組織として存続する為にも、メンバー全員で目指すべき理想の姿を描いた基本理念が必要だと考えます。

 LOM内だけではなく他LOMの活動を体感して改めて考え、自分の強みや弱みをより明確に認識することで自己成長や目標の達成へと繋げます。一人一人の個性を大切にすることで互いを理解し合い、そして感じた価値観を何度も意見を重ね切磋琢磨した時、はじめて互いを尊重でき新しい視点から生まれた今までに無いアイデアが様々な可能性に繋がります。その個々のメンバーが成長することでLOMの発展に繋がり地域に求められる組織になると考えます。

基本理念をしっかりと浸透させるには、文章だけで伝えるのではなく、1年間通してコミュニケーションの中で理解してもらう必要があります。今までの会議形式にこだわらず柔軟な環境での会話を通し、具体的なことや理念に共通する価値観を深め、個々を尊重しあうことで関心がもてれば理念への更なる理解や共感が自然に深まります。そして、繰り返し理念について話すことで様々な視点から理念を捉えられるとより強い共感を得ることができると考えます。

 その経験は地元の発展やLOMのメンバーへの成長に繋げることができ、経験や多方面で築き上げた仲間との絆がどのような困難にも心強い支えとなり、新たな可能性へと導き迷った道を照らし明るい未来を創る力強い助けになるでしょう。

 団体は人が集まり、それぞれの価値観のもと目標や理想を共有し協力し合うことで初めてつくられます。個人の力には限りがありますが、多様な背景や視点を持つ人が集まることで、問題に対する新たな解決策が見出せたり考えが深まったりします。団体は個人が一人で取り組むよりも大きな影響力を発揮し、より広い範囲に影響を及ぼすことが可能であり、また集団で行動することで困難な壁にも立ち向かうことができ、互いの信頼関係を築く中で一人一人が成長する機会を得ることにも繋がります。このように人が集まることではじめて団体となり強さが生まれ、基本理念達成へと道が切り開かれるのです。

 

 

人とまちの可能性を見つめる

 

 みなさんは、「まちづくり」とはどのようなことや取り組みだと考えますか。ある人は、インフラ整備や建物の建築を想像するかもしれません。またある人は、文化や伝統を守ることや、住民が安心して暮らせるまちを築くことが重要と考えるなど、様々な理想像があるはずです。しかし、多くの人にとって、まち全体の活性化に向き合う機会は少ないかもしれません。自分自身の仕事や子育てや生活のしやすさといった身近な課題に日々向き合っている人が多いのではないでしょうか。

私が考える「まちづくり」とは、人づくりです。人は他者との関わりの中で互いに影響を与え合いながら成長していくものです。多様な価値観を持つ他者との関わりの中で、自分が何を果たすべきか、どのように他者に貢献できるかを考えることは、人としての成熟に欠かせない要素です。だからこそ、私たちは、日常でコミュニケーションをとる機会が不可欠で、地域と接触する地元と関わることが未来をつくる次世代の育成という観点においても大切だと思っています。

私自身、高校までは、”地域にあるもの”は当たり前すぎて特に何も感じず生活をしていました。初めて地元の魅力に気づかされたのは、学生時代に県外で生活した時です。日常的に口にしていた立山連峰から流れる雪解け水や、身近に広がる自然の豊かさが、他の地域では当たり前のことではないと感じたことを今でも鮮明に覚えています。Uターンしてからは、自分が子どもの頃に参加した祭が、子どもの減少によって継承が困難になったり、開催自体が見送られることも増えていました。これまで当たり前にあったまちの人同士が交流する機会がどんどん減少する状況にさみしさと危機感を覚えています。滑川の人口減少は緩やかなものの、市外から引っ越してくる人が多い反面、昔からその土地に住んでいる人の高齢化が進み伝統の継承をしにくくなっていることも要因の1つです。

この貴重な自然と文化の継承が難しくなってきている今こそ、地元に住む私たち青年が率先して行動し後世にまちの魅力を伝える責任があります。この先の未来を支えていく子どもたちが心豊かに成長し、自然や文化、スポーツを通じて、互いに学び合い、多様な価値観を受け入れ共に支え合う心を育むことが、やがて子どもたちの無限の可能性となり地元に誇りを持つような人が育つまちをつくれるのではないでしょうか。

 

組織運営

 現在、滑川青年会議所は急速な会員減少が進み、危機的な状況にあります。これは私たちにとって今後の存続に関わる大きな問題です。今こそ時代の変化に対応して会員拡大についても真剣に見直す時期が来ていると感じます。単に会員数を増やすだけで解決できません。会員を増やすことだけを目的とした勧誘は、出席率の低下や1年未満の退会に繋がるからです。既存のメンバーが青年会議所の存在意義を理解し、楽しみながら質の高いJC活動を行うことが、対外にも魅力的に感じてもらえ、加入したい、一緒に参加したいとなる団体になるのではないでしょうか。そのためにも、一人一人が当事者意識を持って自身の役割を再認識し、滑川青年会議所メンバーが一丸となって活動する必要があります。共に切磋琢磨し活動する仲間を増やすことは、簡単ではありません。しかし、積極的に青年会議所活動に興味を持って参加してもらえる様に、メンバーが活動に目標を持ち、語り手になれるくらいに取り組む必要があると考えます。

だからこそ、本年度は自LOMでの実践・研鑽に加え、他LOMへ出向き研修をする機会をつくります。他LOMメンバーが何を目的としてどのような例会や事業を開催し学んでいるかを知ることで、メンバー一人一人の更なるスキルアップを目指します。社会課題解決を目指す団体はJCしかないと言われた時代から、JCの他にもNPOや企業でも取り組む時代に変化したと言われますが、成長の機会を与え社会をより良くする団体はJCしかありません。そして、この本質をしっかり認識して自LOMのレベルアップしJCブランドの価値を向上させていきましょう。

人数の減少に伴い、委員会の数も減少し業務過多になるからこそ今までの前例とは異なる組織体制を考えました。そうすることで、一人一人が自分の役割を自覚し責任感を持ち、総会や理事会等で客観的な立場から組織に対して発言ができると考えます。

 

最後に

 40歳までという限られた時間の中で活動する青年会議所。この貴重な時間を通じて、それぞれが自分なりの目的や楽しさを見つけ活動しますが、みなさんには、ぜひ挑戦をしてほしいと思っています。挑戦となると、失敗を恐れてしまいがちですが、失敗は成長へのステップです。たとえ失敗してもあきらめず、失敗から学びを得て次の挑戦に活かすことができれば、その経験は貴重な学びとなるでしょう。また、挑戦の過程には、必ず様々な「壁」が出てきます。その壁は、一人で乗り越えられるものもあれば、切磋琢磨し、時に励まし合える仲間がいるからこそ乗り越えられる壁もあります。仲間ができることで、自分一人ではできなかったことができるようになることもあります。青年会議所は、そんな挑戦機会を与え、共に支え合う仲間を作ることができる場所であり、青年会議所で過ごした時間は、自分を成長させる大切な「こやし」となっていきます。

こうしたかけがえのない時間は、個人を成長させ内面を豊かにし、ひいては家族の幸せや自社の発展にもつながります。青年会議所で得た知識や人間関係は、今後の人生において大きな力となり、未来を切り開くための強力な基盤となるでしょう。だからこそ、今この瞬間を大切にし、限られた時間の中でできる限りのことに挑戦し、メンバー一人一人が繋がりを大切にし感謝の気持ちを持ち続けてほしいと思っています。明るい豊かな社会の実現に向け、覚悟を持ちこれからの未来のために進んでまいります。

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