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理事長所信

第51代理事長 前田俊一  

【スローガン】

     仲間

 ~最高の瞬間を体感しよう~

【はじめに】

 滑川青年会議所がこの地に設立して今年で51年目となります。支えて下さる皆様のご協力があり無事に50周年という記念すべき節目の年を終えることが出来ました。私は創立50周年記念式典、祝賀会に向けて様々なことを経験できたことや、その経験を積む中で滑川青年会議所の歴史を知ることができ、先輩達から受け継がれてきた伝統や想いがあるからこそ私たちがこの地で様々な運動・活動を通して学ぶことができ成長することができているのだと感じるようになりました。

 滑川青年会議所に入るまで、地域に貢献しようと意識していなかった私が入会して最初に衝撃を受けたのは、入会した年に例会で行ったわんぱく相撲だったのを覚えています。私は自身が子供の頃に1度わんぱく相撲に出場しました。その時はスタッフがどのような動きをしていたか、また会場がどうなっていたかなどまったく気にも留めていませんでした。いざ大会を設える側になった時にこれだけ沢山の人が何ヶ月も前から準備をして、子供たちが相撲に集中できる環境を作るために一生懸命に設営や運営をしていました。そしてそこに携わる人たちの熱量の大きさを自身が感じたことを今でも覚えています。わんぱく相撲以外でもネブタ流し等様々な例会に取り組んでいくうちに、私たちが行っている事業が地域に根ざすまでには沢山の先輩達の努力があって、この滑川市に必要なものを一生懸命残してきて下さったのだと感じています。

 しかしながら、近年この青年会議所の会員減少によるために会が消滅するのではと囁かれるようになりました。本当にそれでいいのでしょうか?もし解散となった時にこの滑川市に先輩たちが繋いでくれてきたバトンが途切れることを意味します。一部の事業は少し形を変えて存続をすることはできるかもしれませんが、今までのような熱量を滑川市に落とし込むことはできなくなるでしょう。我々の身近にあった学びや気付きの機会も失われ、変革の起点を地域に生み出す機会もなくなっていくと思われます。

 私はこの度、理事長という職を担わせていただく上で先輩たちから受け継いできた想いや伝統を次世代へと繋げていくために必要な会の存続に向けてできることを皆で考え行動するべきではと考えています。存続すると一言で言っても、県内のLОМ全ての会員が減少している時代に決して簡単なことではないかもしれません。ですが、滑川青年会議所の仲間でアイデアを出し合い会員拡大やそのために必要な魅力ある組織づくりをしていけば必ず達成できることであると信じています。会や個々の目標達成のため、さらには滑川青年会議所の仲間が1年間集中して運動・活動を展開していくためにも私自身が会の屋台骨となり仲間を支えていく所存であります。

 

 

【仲間、そして会員拡大への想い】

 私は大きく分けて2つのパターンで青年会議所に入会するメンバーがいると思っています。まず1つはこの青年会議所に入ることで何かを達成したい人です。会社をより大きくしたい、売り上げを伸ばしたい人。自身が住む地域のために貢献したい人や貢献していくための基盤をこの青年会議所を足掛かりに構築していきたい人。この青年会議所を通じて自分自身を成長させたい人などです。もう1つは特に目的はないが誘ってもらううちにとりあえずと思って入会をした人です。私はどちらのパターンで入会したとしても最後に自身が掲げた目的に向かって一生懸命行動した後には必ず仲間の存在があると思います。もし会社を大きくしたい、売り上げを伸ばしたくて入会しその目標に一歩でも近づけた時には必ず信頼のできるビジネスパートナーや、お客さんとして来てくれる仲間がいると思います。地域に貢献したいと考えている人は、自身が考えたことを地域の貢献に繋がる様に行動していけば、最後には必ず共に汗を流した仲間が近くにいるでしょう。自身を成長させたいと思って入会した人が青年会議所運動・活動を続けていけば、自身を高めてくれた先輩や指導することで気付かせてくれた後輩、意見をぶつけ合いお互いの個性で研磨させあった沢山の仲間がいるでしょう。そして、特に目的がなく入会したメンバーも、この青年会議所を続けていくうちに何かに気付けた時には自然と周りに想いを共感することが出来る仲間がいます。青年会議所は精一杯取り組んだ最後には自身の周りに最高の仲間ができる組織ではないでしょうか。そして、これから先もこのような組織であり続けるためには、一人でも多くの個性豊かなメンバーを増やすことが必要だと考えます。

 日本青年会議所の中には3人ほどで活動しているLOMがあるのは事実です。そのこと自体は素晴らしいことだと思いますし、その人数で活動していることを否定したいわけではないのですが、私自身は人が成長するためには沢山の人と個性をぶつけ合い擦り合わせ磨き上げることが必要だと思います。それが青年会議所ではロバート議事法を元に進められる理事会で多数の意見を元に行う事業構築であると思っています。理事会でもし様々なメンバーの個性から出る意見の掛け合いがなければ自身は成長の機会にも恵まれず理事長を任せていただけるようなJAYCEEにはなれていなかったのでは思います。

 青年にとっての最後の学び舎である滑川青年会議所を残すためにも会員拡大をし続けていかなくてはいけませんが、その時にどのように勧誘していくのかと考えます。もちろん、相手に合わせて言い方などは変わっていくかもしれませんが、その前に勧誘する人たちの前で自信を持ってこの滑川の地でこのような事業をしている、このような貢献をしているとすべてのメンバーが共通の認識で持つことが必要です。そのためには現状の人数は少ないかもしれませんが、例会の数、質を下げることなくこの地に滑川青年会議所としてのレガシーを残し続けていかなくてはいけません。そして今まで青年会議所を知らない人たちにも私たちの運動・活動が伝わるようにこれまでとは違う視点からも事業構築をしていかなくてはいけません。それは人数が少ない中で非常に困難な道かもしれませんが、私たちが共通の想いを持ち協力していけば必ず達成できることです。

発展と成長ができる環境をこれからの滑川市を担っていく青年に失わせないため、そして滑川市の明るい未来のために運動・活動をしてこられた先輩たちの想いをこの地に繋いでいく為にも会員拡大は必ず達成しなくてはいけない目標であると捉えています。

 

 

【事業構築について】

 滑川青年会議所はこの地に設立され50年間、まちの課題に向き合い持続可能な地域にしていくために、その時代に合わせた事業構築を行ってきました。そして、事業に関わるメンバーに発展と成長を促す機会をつくり続けてきました。組織として、またJAYCEEとして更なる高みを目指していくには現状を維持していくという意識ではなく、既存の事業に新しいものを取り入れたり新規事業を築いていく事が必要です。社会情勢が目まぐるしく変化していく中だからこそ、常に求められることが変わっていく地域課題の解決に向けて必要なものは何なのかをしっかりと見極めて行動していき、持続可能な地域や明るい社会をつくるために協力し挑戦する過程にこそ、青年会議所の三信条である、修練、奉仕、友情をメンバーが体感することができるのではないでしょうか。

 挑戦することに臆することなく、滑川青年会議所にしかできない新たな事業構築をメンバー一同協力して展開していきましょう。

 

 

【私たちを育んでくれた滑川市のために】

 私たちはこの滑川市の自然が織りなす恵み、そして先人たちが築いてきたまちの恩恵を受け日々生活を送ることができています。「住みやすさランキング2023」で滑川市はランキング上位であり、日本の中でも特に不自由なく過ごせる環境が出来ていると思います。しかしながら、日々恵まれた環境を与えてくれる滑川市にも不安要素はあります。このような住みやすいまちでも、市が行ったアンケートでは学生の5人に1人が県外の大都市へ移住したいと思っていて、残りの5人の内3人は滑川市にこのまま残るかはわからないと答えています。また高齢者の割合も多く今後の人口減少、過疎化に不安を感じている方が多いようです。さらには、福祉、まちづくりに満足度が足りてない人も多くなっています。特に人口が減っていけばいくほど町の力は失われ、公共の施設の充実度は減っていき、先人たちが築いてきたものも今後持続できなくなるでしょう。

 持続可能なまちにしていくためには行政に頼るだけでなく、その地域に住む人々が当事者意識を持ち共通の課題と捉え行政と市民が共に問題と向き合っていく事が必要であると思います。そのような意識改革を市民の人々に生みだすためにも、私たち青年会議所ができることはまちを巻き込み、まち全体に響き渡るような事業構築をして一人でも多くの人々にその想いを共感してもらうことであると思います。また多くの市民に滑川市を愛してもらえるように、滑川市の良さを活かした企画や、市民が参加しやすくなるような企画等も考えていかなくてはいけません。

 私たち青年が新たなアイデアを出し合い滑川市が抱える問題を一つでも多く解決し、多くの笑顔が咲くまちになるように、メンバー一同力を合わせて取り組んでいきます。

 

 

【これからを担う青少年に必要なこと】

 1985年から現在に至るまでの間に滑川市の少年(0~14歳)は約半分となりました。デジタル化が進み今後、生産性や情報発信、情報共有がスムーズになっていく可能性が高いとはいえ、将来的には人口減少の影響もあり10年後、20年後を担う子供たちに掛かる負担が多くなることは間違いないでしょう。そのような未来を担う子供たちの将来なりたい職業にも毎年のように変化がありユーチューバー、プログラマー、プロゲーマーなどITが関わる職業が増えてきています。また昔から人気の職業にも私たちが気付かない所でデジタル化している部分が沢山あると思います。そのような変化に合わせて子供たちが学ぶべきことも変化していき、中には大人よりも高度なことをしている子供も多くいるでしょう。そのような子供たちの将来を期待する一方で、デジタル化に対して沢山の課題があるようにも思います。デジタル化が進むことで子供たちが直接人と顔を合わすことが減りコミュニケーション能力の低下が懸念されています。また、インターネットを用いることで私たちが子供の時にはなかった匿名での誹謗中傷が簡単にできるようになりました。時にはネット上の掲示板に名前や画像を載せられて集中的にいじめられてしまう事例などもあります。またSNSでの闇バイトや詐欺のトラブル等もよく耳にするようになりました。

 デジタル化が抱える問題は多々ありますが、子供の内に思いやりの心の大切さに気付くことができれば、将来誰かを傷つけるようなことは限りなく少なくなり、人の輪が自然とできていくと思います。そのためにも、人と人が直接対面することでしか得ることが出来ない経験を子供の時から可能な限り体感し、沢山の人の感情に触れていくことが必要です。また、子供たちが成長していく中で人と直接顔を合わせながらコミュニケーションをとるということは無くしたくても無くせないものの一つであると思います。そして将来社会に出たときにはコミュニケーションを通じて人と人との繋がりを作る中で、人に支えられるだけではなく人を支えることが求められます。得意、不得意はあったとしても必ず必要になるからこそ、どのようにして人に対して向き合っていけばいいのかを知る機会を捻出していかなくてはいけません。コミュニケーションを通じて様々な経験を積んだ子供たちが将来大きくなった時に、滑川市は自然と人の輪ができる明るいまちになっているでしょう。

 滑川市の子供たちがコミュニケーションしていくことで、将来必要になる他者を思いやる心、助け合う心を醸成していくための運動を滑川市に展開していきます。

 

 

【組織力向上】

 今年度の滑川青年会議所は滑川青年会議所の歴史の中で最少の人数、そして県内9つのLОМでも最少の人数でのスタートになります。人数が少なくなってはいますが、組織力が低下しているかというと必ずそうとは言えないのではと私は感じています。特に50周年という節目を経験した今のメンバーの絆は強く、全員がОne Teamの意識で運動・活動していることで今の人数以上の結果を残すことができていると思います。私が特に大事と捉えている理事会の質疑の場でも、少ない人数の中で沢山の個性のある意見があり、個々が成長できる環境は維持されています。今後、組織力を上げていくためにしなくてはいけないことは、これから入る新入会員や経験が浅いメンバーに青年会議所としての大切なことをしっかりと伝えていく事です。青年会議所は何かをする、しないは個人である程度決めることができる組織であると思います。ですがそれにより、1年で素晴らしい成長を遂げるメンバーもいれば、例会などの参加率に差が出ていることも事実としてあります。せっかく自身のお金、時間を削って入る組織だからこそ少しでも多くの発展と成長を成し得るメンバーが増えるように、経験あるメンバーが率先して会の仲間を巻き込んでいけるような組織にしていかなくてはいけないと思います。また、会の中枢を担うメンバーはあてがわれた役職を担う中でリーダーとして背中を見せていくことが新入会員や経験が浅いメンバーの向上心を高めることにも繋がります。

 メンバーからメンバーに大切なことを引き継いで行くことで組織力を上げ、県内最少でも県内最高のLОМになれるようにメンバー一同力を合わせて邁進していきます。

 

 

【他LOMとの交流】

 青年会議所に入会して活動していく中で、自身に発展と成長を与えてくれる機会の1つが他LOMとの交流であります。共通の理念の元で運動・活動している仲間たちですが、LOMごとに行っている事業も多種多様であり、そこから生まれる知識や価値観を交流で学ぶことはメンバー同士にLOM内の活動とはまた別の発展と成長の機会を与えてくれます。特に先輩方が2015年に新川・滑川・黒部コミュニティー推進協議会が設立して下さったことにより3LOMの繋がりは強固なものになっています。そのコミュニティーを最大限に活かし3LOMが協力することでしかできない事業を築いていくことは、メンバーの成長、そしてLOMの成長へと繋がるでしょう。また、交流を機に友情を育んだ仲間が県内外問わずいることは、将来青年会議所を卒業した後の人生において必ず財産となるでしょう。 

 毎年行われている日本、地区、ブロックの事業なども新たな価値観に出会う機会となります。スケールの大きい事業を通じて多くのメンバーと触れ合う中で事業の設えなどを自分の目で見ること、さらには高いリーダーシップを直接体感することは自身の成長だけではなく必ずLOMの成長にも繋がります。

 メンバーが刺激を受けつつ沢山の仲間が出来るように、交流事業を他LOMのメンバーと協力して画策していきます。

 

 

 

【結びに】

 私は青年会議所で運動・活動していく中で何よりも大切なことは仲間の存在であると思います。青年会議所では時には上手くいかず辛い時も多々あり、私自身初めての委員長の時に議案書で上手くいかず何度も挫折しかけましたが助けてくれたのは当時の委員会のメンバーや、委員会のラインを越えて励ましてくれた沢山のメンバーでした。そして、自身が計画した事業が実を結び、その達成感や喜びをその仲間たちと分かち合う時がこの青年会議所の中で最高の瞬間ではないかと思います。

 青年会議所を卒業する時にはメンバーは40歳になっていますが、まだまだこの先の人生は長く、青年会議所を通じてできた多くの仲間との繋がりはこれから先もずっと続きます。その仲間との絆は何にも変えられないものであり、自身が住むまちや県内外に同じ志の下、汗や涙を流した仲間がいることは自分自身の残りの人生にとって大切な財産となるでしょう。これから先もそのような組織であり続けるためにも、青年会議所が掲げる理想に向かってメンバー全員が助け合って協力していく事、メンバー全員で行う会員拡大、新しいことに挑戦していく気持ち、この3つを念頭に置いて51年目は運動・活動していきます。

 今年度は、2委員会+特別室編成となります。人数が減っている中でも昨年までと変わらない例会、事業ができるように考えた結果このようになりましたが、この体制で1年間乗り越えれば1人ひとりがJAYCEEとして最高の瞬間を体感することができ成長に繋がると信じています。新しいことに挑戦することに恐れずに仲間とともに51年目を歩み続けていきます。

 

 

【基本方針】

 

・まちの課題解決のための例会の実施

・地域に賑わいをもたらす事業への参画、実施

・心の醸成を促す青少年育成事業、例会の実施

・他LOMと交流を深め、刺激を与え合う仲間を作る合同事業、例会の実施

・LOM以外の学びの機会への積極的な協働参加

・新たな仲間を増やすために全員で取り組む会員拡大

・その他理事長所信に基づいて行う事業例会の実施

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