理事長所信

第47代理事長 吉森 真人

【はじめに】

 

1970年代、日本人の考え方や生活は大きく変化しました。それまでは戦後復興の高度経済成長の時期でありましたが、皆が協力し、社会を変えよう、よくしようと、前向きに当たり前のように社会と関わった時代から、社会や政治への関心よりも個人主義的な自分達の楽しみを求めて生きる時代へと変化し始めたころです。世界ではアメリカに次ぐ第2位の経済大国になり、衣食住全般において特に不自由することがなくなり、自由に生きることが許されるようになりはじめました。その為、初婚年齢の高齢化が始まり、少子化へと移り変わり、日本人の意識に変化があった時代といえます。日本経済は、急成長ではなく安定的な発展が求められ、政策としても物価の安定が盛り込まれ、17年続く安定成長期となっていき青年経済人がやる気に満ち溢れ、活き活きと活躍する時代へのスタートとなりました。そんな時代背景の中、明るい豊かな社会の実現を理想とし、熱き情熱と志を持った先輩方により、1974年4月13日、日本で554番目の青年会議所としてこの滑川青年会議所は誕生しました。本年47年目という中で、社会情勢はめまぐるしく変化し続け、滑川青年会議所においても、様々な歴史をたどりながら皆が一丸となって運動を展開し、更なる飛躍を求め、地域と共に歩む道を邁進してまいりました。諸先輩方の幾重にも積み重なった歴史は、今日の我々への道標や指針となり、現代で活動や運動を行ううえで守るべき本質と、時代に合わせた斬新さを取り入れる考えとなります。これは会社における経営理念にも通ずる大切な学びであり、多種多様な学びの機会を提供してくれるのが青年会議所です。我々は、ご理解とご協力を頂いている関係諸団体と地域の皆様とのご縁を大切にして、これまでの想いや考えを見つめなおし、一人ひとりが自覚をもって自ら行動を起こし、仲間と共に協力して承継すべき新たな未来を築き上げていかなければなりません。

しかし、日本は先進国の中でも稀に見るほどの急速な人口減少がみられており、大きな問題として私たちの暮らしに影響し、あらゆる人材の確保が非常に困難となっております。また、人口減少によって空き家の増加、小売店の減少、地域コミュニティ力の低下などが起き、街の景観や治安の悪化、生活利便性の低下、暮らしの安心・安全の維持や伝統文化の継承等に大きな影響が及ぶことが懸念され、まちの発展に支障をきたしています。ここ滑川市におきましても2004年の34,000人をピークに人口は減少傾向にあります。5年ほど前の調査では、このまま推移すると2030年には30,000人を下回り、2060年に21,500人になると言われています。我々滑川青年会議所も会員減少という問題を抱えていますが、滑川の魅力を伝え、地域の方々からのご理解を得て共に協力し合うことが会員個々の成長となり、滑川青年会議所の魅力を伝えることになります。本年度10年以上青年会議所で活動してきた仲間が卒業を迎えます。諸先輩方の想いを一番長く感じてきた仲間がいる今だからこそ変えてはいけない本質や未来へ伝え残していく事柄をしっかりとみつめ、組織改革を行い、この時代に応じた青年会議所へと組織改革をしていくことで、持続可能な新しい滑川青年会議所が作り上げられます。会員が減っていて大変だと会員皆感じています。それでも諸先輩方が行ってこられたことと本質は同じであり、だからこそ歩みを止めてはいけません。様々な壁をなくし、皆が協力し合える体制を築き上げ、この時代を駆け抜けられる活き活きとした青年会議所にしたい。それは地域にとっても同じことが言えます。伝統や産業、地域コミュニティを守っていくことで持続可能な滑川を作り上げられます。我々の成長やまちの発展の為に皆が幸せと感じられるまちやコミュニティを作り上げられるように持続可能な開発目標をめざしSDGsを意識しながら目的を持って行動していくことが大事であり、それが我々の魅力だと考えます。

そのような魅力ある滑川青年会議所として、我々はこの滑川の「ひと」「まち」が元気で、明るい、豊かな社会の実現にむけて新たな未来へ進んでいきます。

 

【明るいまち、滑川をつくる】

 

 私は、ここ滑川で生まれ育ちました。学生時代は県外に行っておりましたが、小さなころから共に遊び、共に学んだ仲間がいることもあり地元に戻るかどうか悩んでいました。しかし、一度県外に出たからこそ、それまで当たり前のように感じていた滑川の魅力を理解することができ、その魅力を多くの人と分かち合い、伝え残していきたいと思い戻って暮らすことを決めました。雄大な立山をはじめとした、身近に四季を感じられる景色、ホタルイカなどの豊かな海の幸や山の幸、また、ひととひと、まちとのコミュニケーションがここには残っています。実際に戻って来ると、仕事や家庭、まちと関わりの両立や、それぞれの問題に対する苦労がありますが、ここに暮らし人々と触れ合うことで解決するすべを学ぶことができ、さらに滑川への愛着がわきました。

地域の伝統文化である祭事や神事、伝統芸能などの地域文化として伝えられてきたものも愛着がわいた理由の一つです。それらも、ひととひと、まちとの関わりが深く無ければ継承が困難になっていきます。先程述べた人口減少も問題ではありますが、担い手世代のまちとの関わりの希薄さや、社会での働き方にも問題はあります。私たちが子供のころは、親に連れられて当たり前のように参加してきました。参加することで自然に先人たちの想いを感じることができ、受け継がれてきました。我々滑川青年会議所は、まちと担い手のつなぎ役として伝統文化の大切さや想いを伝え続けていくことが大事であり、率先して行動し続けることで想いが伝わり、参加者が増え、継承につながります。我々が伝統文化を絶やすことなく受け継ぎ大切にすることで、まちや地域に誇りを持つことができ、それが我々の魅力として根付いていきます。伝統文化だけではなく、豊かな自然も地域の魅力の一つであり、先人たちの努力のもと数多く残されており、それらによって人々の豊かな心が醸成されます。この自然を未来に残していく為にも、我々が率先して行動し自然とふれあえる機会を生み出すことで、ひととひと、まちとのつながりが見出されます。この豊かな自然環境に感謝の心をもち、地域との連携を図り、「明るいまち滑川」をつくりあげていこうと考えます。連携を図る上では、我々が地域に抱く想いやどのような運動を行っているのかということを、しっかりと伝えていかなければいけません。その為、地域の方々との交流の場を持つことが必要であります。それが、我々自身、これまでの滑川青年会議所の想いを深く考えなおすこととなり、より地域と深い関係が持てる機会となります。これらの事業を展開していく為に会員同士の絆を深めていくことが必須となります。皆で協力し助け合うことがより強固な絆となり、この先の未来においても親密な関係が築き上げられます。お互いに感謝する心を忘れず、また、その感謝の心を表せる機会が必要です。

我々が地域のリーダーシップを発揮し、先人たちの想いのある伝統文化の継承や、豊かな心を醸成してくれる自然環境を残す運動を行い、人々とのつながりが持てる交流を行うことで地域に必要とされる存在となり、より発展させ、「明るいまち滑川」を創生することで新たな未来へ進んでいきます。

 

 

【地域の子供たちと共に成長】

 

子供のころに見た大人は、何でも知っていて何でもできて、とても大きな存在でありました。親に言われることをよく聞き、素直に行動していれば自分たちも立派な人間になれるのではないかという想いで大人を見て育って来ました。もちろん、子供たちから見ればそれが当たり前で間違ってはいません。ですが、大人になった今の私たちから見た自分たちはどうでしょうか。決して全てにおいて何でもできる完璧な人間ではないと思います。子供のころに想像したような大人になっているのでしょうか。それでも、正しいと想い暗中模索して初めてのことに挑戦していくのが人であり、自分の子供、地域の子供たちに背中を見せて成長させ、育成していかなければいけません。だからこそ、私達も子供たちと共に学び、共に成長していく機会が必要だと考えます。また、我々が青年会議所活動や運動に専念できるのも、子供たちをはじめとする家族の支えがあってこそだと思います。家族に感謝の気持ちをしっかりと伝え、これからの活動に対しても、理解と協力を得ることが必要です。

私たちが小学生のころの教科は、国語、算数、理科、社会、中学校に入ってから英語が加わるというものでした。今もそれらは変わらずありますが、約10年ごとの「学習指導要領」改訂により、内容が変化したり、新たな科目が増えたりして、私たちの時代にはなかった次世代に向けたさまざまな項目があります。本年4月からも、新たな教科がいくつか必修化されます。なぜ新たな教科が必要なのかを大人が理解することで、子供たちにわかりやすく説明することができ、教育していくに当たっての大事なことが見いだせるのではないかと思います。新たな教科に対して楽しく体験することで興味を持つ機会を与えてあげることも大事であり、私たちが子供たちと共に学んでいくことで、子供たちの育成、我々の成長につながるのではないでしょうか。また、最近の子供たちは、目と目を合わせて対話する機会が減っているのではないかと思います。今日、様々なICTの技術が発展し、言葉が無くても、目を合わせなくても意思表示ができるようになっています。そのことにより、相手を思いやる気持ちや忍耐力が低下しつつあり、目を合わせて対話する際に自分の想いをうまく伝えられなくなっていると考えます。現代の子供たちには、自由に何でも話し、表現できる子供らしさが必要であり、そういった場を提供してあげることが大事です。地域の皆様とかかわり、実際に体験体感できるような機会を与えてあげることで成長してもらい、我々も親世代として子供たちを支え、時には厳しくできるような大人となり、皆で共に成長していきます。子供たちには滑川の魅力を伝えると共に、滑川以外のことも知ってもらい、他の地域と交流を行うことで非日常感を体験してらう機会が必要だと考えます。私たちも幼いころにいろいろな場所へ連れて行ってもらいました。そこで体感したことは、今でもはっきりと覚えており、自分たちのまちとの違いを肌で感じることができました。我々がそのような場を子供たちに提供することで、子供たちの成長と共に、自分たちもまた地域を見つめなおすことができ、それが将来の地域間の交流や新たな滑川の発展につながります。

我々が青年会議所の活動や運動を行えるのも、家族の支えがあってこそだと思います。青年会議所の活動や運動に時間が割かれ、家族と交流する時間が減っているのは事実ですが、その分、今までよりも時間の使い方、家族との時間が一つ一つ濃いものとなっているのも事実であります。それでも、家や子供を守ってくれているのは家族であり、感謝しなければなりませんが、想っていてもなかなか感謝を伝えることができません。家族にしっかりと感謝の意を伝え、これからの青年会議所への理解と協力を得られる場が必要です。

我々が子供たちを育成していくと共に、我々自身が学び成長していくことで、地域の発展、組織力を向上させ、新たな未来へ進んでいきます。

 

【滑川青年会議所の未来へ】

 

我々は、この滑川の明るい豊かな社会の実現の為に集い、会員全員が一丸となって、日々運動を行っております。では、青年会議所に所属していることで我々が得られることは何なのでしょうか。それは、我々が住む地域の発展の為、未来ある子供たちの為、また、共に活動や運動を行う仲間の為、そんな自分だけではない誰かの為に行動できる想いが養われることだと考えます。これまで代々受け継がれてきたこの想いを未来へつなげていく為にも、一人よりも二人、三人と、新しい仲間を迎え継承していくことが必須です。

会員の拡大は、全国ほぼ全ての青年会議所の課題となっていると思います。滑川青年会議所においても、最大60名近くいたメンバー数が年々減少し、現在では20名を切り、組織としての存続さえ危ぶまれる状況になりました。滑川の明るい豊かな社会の実現という志を理解できる人をより多くすることで、我々自身が刺激しあうことができ、成長していくことができると考えます。会員を増やしていく為には、ただ勧誘をするのではなく、我々一人ひとりがこの青年会議所で得られる価値を自覚し、誇りをもって勧められるようにしなければいけません。その為にも、この会のすばらしさを仲間たちに熱意をもって伝え、共に成長していくことが大事です。

私が入会した当時を思い出してみると、青年会議所がどのような事業や運動をしているのかは全くわかっていませんでした。偶然参加した事業で、多くの知人、友人がこの地域の為に頑張っている姿を見て、想いが伝わってきたので入会しようという気持ちになりました。初めから明るい豊かな社会を築いていきたいと思ったわけではなく、仲間と共に楽しく活動したいと思わせてくれた方がいたから今の自分があり、入会して以降、この地域の為に行動したいという気持ちになりました。だからこそ、我々が楽しく地域の為、子供たちの為、仲間の為に取り組めるような会を組織して、我々の姿をより多くの方々に見て感じてもらうことが、新たな会員を増やしていくきっかけになると考えます。一人ではなかなか行動に移せないかもしれません。皆で協力し、チームとしてより多くの人と出逢い魅力を伝え、メンバー全員が危機感を持ち、未来を見据えた会員拡大を本気で取り組んでいかなければなりません。これまで滑川青年会議所を築いてこられた諸先輩方としっかり連携をとり、その熱き情熱と志を分かち合い、これまで以上に地域に求められ、魅力あふれる滑川青年会議所を目指し、新たな未来へ進んでいきます。

 

【組織運営について】

 

円滑な組織運営の為には、綿密な準備をすることが必要不可欠です。どんなことでも、思いが強くても準備が不足していれば、より良い結果に結び付きません。学校や会社、組織においても、これらの大切さは、学んでいることと思います。「段取り8分、仕事2分」といわれるように、しっかりとした準備を行うことがより良い結果につながります。

青年会議所活動においても同じことが言え、念入りに準備することでより良い結果を残すことができます。青年会議所は、企画から準備段階、そして運営方法を学ぶ場であり、それを実践できる場でもあります。このような学びある組織として、メンバー各々が、しっかりと準備から進め、実行に移すことで、各種会議が円滑に進められ、事業や例会において少しでも多く議論しあえる時間を作っていくことがより良い運営と考えます。また、会議の場では話し合えないようないろいろなことを、屈託なく意見しあえる場も必要であります。会議や例会等、皆で集まった後には懇親の場を儲け、楽しくお酒を酌み交わしながら意見しあうことも大事です。その積み重ねがお互いに信頼のおけるパートナーとなり、一人ではできないことを共に協力し合い感謝できる組織となり発展していくことができます。滑川青年会議所は、一般社団法人として組織されていることを会員全員が理解し、社会的に認知される団体として、我々自ら身をただす必要があり、適正な財務管理を徹底していかなければなりません。その為には、必要な知識をしっかりと取得し、会員全員で管理していくことが必要であります。

情報発信の手段は、日々進化しています。その中で時代の変化を捉え、効果的な情報発信ツールを用いて活動や運動をしっかりと発信し、滑川青年会議所という存在をより多くの方々に認識してもらえるよう取り組み、地域の方々とのつながりを築いていきます。その為には、あらゆる手段を活用し、短時間に情報を伝えることができる効率の良い運営が必要であると考えます。また、一方的な発信だけではなく、市民の皆様の意見などを提供いただくことで、それを自分たちの活動に反映することができ、よりよいまちづくり、組織運営につなげることができると考えます。迅速かつ的確に相手に連絡を取るには、SNSなどを駆使するのも一つではありますが、相手に対して参加などを集う際は、自分自身の言葉で想いを伝える必要があります。まずは自分の想いを相手に話して伝えてみることが必要です。また一方で、現代技術だけではない、これまでのマスメディアによる発信も効果的と考えます。そのほかにも、組織の活性化の為に他団体との接点をもち、意見を交わしあい協力していくことで自己成長していく必要があります。

様々な媒体を駆使して、これまでの滑川青年会議所の想いと共に情報を発信することで、地域の方々と協力しあえる体制をつくり、魅力あふれる滑川青年会議所として新たな未来へ進んでいきます。

 

 

【おわりに】

 

私は今年39歳になります。滑川青年会議所は、私が生まれる7年前に誕生し、数多くの先輩方を輩出して歴史を作り上げてこられました。これまでにも多くの困難に立ち向かい、会員同士が頭を悩ませて乗り越えてきた歴史です。この歴史を次の世代へとつないでいくことが、新たな未来へ突き進むことになります。人生は、物事の捉え方一つで変えられると考えます。「忙しい」と思うのか、「充実している」と考えるのか。「辛い」と思うのか、それとも「成長できる」と考えるのか。駆け抜けている間は、前者なのかもしれません。しかし、やり遂げてみて振り返った時には、「充実していた」「成長した」と思えるように真剣に行動してみよう。40歳までと限られた青年会議所での時間。大好きな滑川の為に、歯を食いしばり、皆と共に乗り越えていきましょう。

我々が、青年会議所活動や運動に集中できるのは、家族や会社の支えがあってこそ行えることです。そこを蔑ろにすることは許されないことであります。まずは、自分の家族や会社の仲間にも誇れるような活動に徹し、青年会議所での運動を、会社や組織、仲間内でも誇れるような行動が必要です。それ故に、青年会議所活動において、家庭の事情や仕事の都合で助けが必要になったとき、お互いに手を差し伸べることができる仲間でなければなりません。万が一そのような困難な状況に置かれた時でも、会員同士助け合うことでお互いが成長できる、協力的な青年会議所を目指したいと考えます。

私の好きな言葉に、「稽古照今」という言葉があります。本年度のスローガンにも使わせてもらいました。「古(いにしえ)を稽(かんが)え、今に照らす。」とし、先人の教えに学んで、今を生きる指針を見出す、という意味です。これまで諸先輩方が歩んでこられた道を今一度見つめ直し、これからの時代に合った滑川青年会議所を会員全員で作り上げていくことで、この先も青年会議所は想い一つに続いていき、地域の発展に貢献していきます。その為には、SDGsを皆が認識し取り入れていくことが必要不可欠となっております。一年後、今よりも仲間が増え、お互いに楽しいこと辛いことを分かち合える組織となり、これまでの諸先輩方の想いを受け継ぎながら、地域の方々の協力への感謝の心を忘れずにどんな困難も乗り越えられる、活き活きとした青年会議所になるよう邁進していきます。今、ここで受け継いだバトンを持ち、皆と共に夢を描き信じ合い、元気で明るい豊かな社会の実現にむけ、覚悟をもって新たな未来へ進んでまいります。

 

 

 基本方針

・メンバー全員で取り組む会員拡大

・青少年と共に学ぶ育成事業、例会の実施

・滑川の伝統文化をつなぐ事業、例会の実施

・自然環境を考える事業、例会の実施

・地域の方々と触れ合える事業、例会の実施

・シニア会と連携した事業、例会の実施

・地域の各団体との連携を強める事業への参画、合同事業、例会の実施

・SDGsの推進

・様々なツールを利用した迅速かつ的確な情報発信と情報の共有

・その他理事長所信に基づいて行う事業例会の実施